「日米対抗フィギュアスケート競技大会2007横浜」の現地での観戦レポートです。
・10/6(土): 男子シングル・女子シングル
・10/7(日): エキシビション
・会場: 新横浜スケートセンター
・座席: 10/6: S席の前のほう。ジャッジと反対側の中央付近。10/7: S席の前のほう。ジャッジ側の端のほう。
・参考:
TBS番組サイト
※ 結果の詳細はこちら:
International Counter Match FS Competition, USA vs. JPN 2007 Yokohama
■10/6: 男子シングル・女子シングル
○ 全般について:
長洲未来のFS以外は全て、テレビ・動画等での
予習なしで試合用のプログラムを生で初めて観ることになりました。これは珍しいことで、2年前のジャパン・インターナショナルチャレンジ以来です。初めて観る演技は、演技の構成を頭の中で整理しながら観てしまうのですが、同時に生観戦の雰囲気を味わいながら観ないといけないので、大変です・・・。試合の結果、各選手のスコアについては、こういう練習試合のような試合ではあまり参考にならないので、ここでは議論しません。
○ 男子シングル:
高橋大輔がFSで4回転を2つ入れるかどうか注目していました。2つ挑戦したが、両方とも4Tで、いずれも失敗(他の4回転は跳ばないのか?)。その後もミスが目立ち、得点も低かった。プログラム「ロミオとジュリエット」も、昨季の「オペラ座の怪人」と似た路線のまま少しつまらなくなったような感じ。ちょっとがっかり。他の男子選手も…、日本勢は演技の出来が悪いです。あ、町田樹は、前半は良かったですね。後半バテバテだったようですが。米国勢は予備知識が不足していたせいか、あまり記憶に残ってません。
○ 長洲未来(ミライ・ナガス)(Jr.FS)「コッペリア」:
今大会で唯一、動画で予習していた演技。思ったより体が小さくて、小ぢんまりして見えましたが、スケーティングも個々の要素も、本当に綺麗です。
難しいことを簡単そうにできるところは、見ていて気持ちがいいです。同年齢の頃の浅田真央に似ていると思う。後半は、連戦の疲れからか、スタミナ切れで、ジャンプの助走のスピードも落ちてミスを連発してしまいました。演技終了後キスクラに行く前に、リンクサイドで涙ぐんだ表情でコーチと話してました。よほどショックだったのでしょうか。しかし、能力の高さは十分確認できました。
○ キャロライン・ジャン(SP)「スパニッシュジプシー」:
長洲よりもさらに小さく見える…。少女というより児童・幼児という言葉が当てはまりそうな感じ。あのクセのあるジャンプの跳び方も、身体が小さいせいか、テレビで見るほど気になりません。3−3回転は、噂では跳べると聞いていたのですが、実際に跳んできてびっくり。後の3Tは回転不足だったようですが、いつでも跳べそうに見えました。
最後のパールスピンは圧巻です。近い距離で見ることができたので、生観戦ならではの、立体感を堪能できました。横に大きく広がるスピンなので、奥行きも感じられます。テレビだと、どんなに高画質でも平面なので、遠近感を出すのは不可能です。
あのパールスピンは本当に生で観るのをおすすめしたいです。
○ 安藤美姫(SP)「サムソンとデリラ」:
衣装は、ギラギラしていてインパクトありますね。テレビで見るとそれほどでもないのですが、生で見ると派手です。事前のインタビューで「セクシーな演技を…」と言っていたのですが、確かに、初めの振り付けを見たときは、その意図が感じられました。プログラム自体は、昨季のSP「シェヘラザード」も好きだったのですが、よく似た路線で、安藤に合っていると思いました。
しかし、最初のジャンプで激しく転倒したときは、場内が凍りつきました。痛そうなコケ方で、演技を続けるのは無理だろうか…と思いましたが、途中から再開して最後までがんばって滑ってくれました。演技後、場内の大画面で、転倒したところが繰り返し流された。そんなに映さなくていいのに…。演技の前、ジャッジのコンピュータが1台壊れて交換に約1分かかって、待たされたのが影響したのかも。3週間後のグランプリシリーズが心配になってきました。
○ 浅田真央(SP)「ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア」:
約半年ぶりに浅田真央の姿を見て、ずいぶん大人びてきたような気がしました。衣装のせいか、体型が変わったようにも思いました。衣装は、適度にアクセントが効いていて好きです。ただ、演技の前に首のあたりを触って気にしているようでしたが、窮屈なのでしょうか…。6分練習では、試合で跳ぶジャンプを全て複数回ずつ完璧に跳んでいて、調子は良さそうに見えました。
初めのジャンプは単発の3Fでした。あれ?昨季と違う?しかもステップから入らなかったような…。次は何かと思ったら、ステップからの3Lz。…ってことは、最初の3Fはコンビネーションの予定だったのか…と、頭が混乱しているうちに、2Aを跳んだ。ん?もうジャンプは全部終わりか? 今までの浅田真央のSPは、最後のジャンプは後半に跳んでいたので、
この構成は新鮮に見えた。ジャンプを序盤に集めるのは、中盤以降にスピン・ステップ等に注力して、ジャンプ以外でも高得点を取る作戦だろうと思いました。実際そのとおりでした。特にあのレベル4のステップは衝撃的でした。
氷上を滑っているというより、蝶が宙を舞っているような感じ。でも、TBSの中継では、カメラが、ステップの進行方向と平行の向きで撮っていたため、一箇所に止まって見える部分があって残念。横から見ると、もっといいです。あと、座席が低い位置だったためか、ビールマンスピンの足の位置の高さが印象的でした。長洲やジャンのも綺麗なのですが、やはり小さく見えます。背が高く手足も長い浅田真央のビールマンスピンは、スケールが大きく見えました。
演技終了時は「え?もう終わり?」と思った。それくらい、終始テンションが高く高密度な演技で、見ているほうも全く休むヒマがありません。もう少し緩急があってもいいかなとも思いましたが、難度の高いチャレンジングなプログラムだなーと感心しました。従来の浅田真央のイメージとも違う新境地を開拓しているようで、フリーのプログラムを見るのも楽しみになってきました。
○ 村主章枝(FS)「オブリビオン」:
6分練習では、転倒していたりして動きもよくなかった。本番でもミスを連発。全くの調整不足でしょう。この時期に、村主が試合でフリーを滑ること自体、無理があったのかもしれませんね。プログラムも、昨季のフリーに続いてズーリンの振付だそうですが、やっぱりローリー・ニコルのほうが村主に合っているのでは?と思いました。
○ その他女子選手について:
レイチェル・フラットはかなり強そうですね。長洲やジャンのような柔軟性がないため目立ちませんが、バランスが良く、実力差は無いと思います。3−3回転も、3Tは回転不足の判定でしたが、簡単に成功できそうな雰囲気でした。水津はいい演技をしていました。この調子なら全日本で上位に来る可能性もありますね。最終滑走がB.リャンというのは、テレビ中継的にはどうだったのでしょう・・・?
■10/7: エキシビション
・7月のドリームオンアイスで、村主、南里をはじめ何人かは、同じ演技を同じ会場で観ていたばかりでしたが、それでも初めて観る演技も多く、楽しめました。後半は全員アンコール付きでした。
・長洲未来は、スケーティングのスピード・伸びがすばらしい。昨日より動きがいいですね。変わった持ち方のビールマンスピンは、席から遠くて見えにくかったのが残念。
・ライアン・ブラッドリーのバックフリップは2回とも近くで見られてラッキー。2回目のは綺麗な片足着氷で、氷が割れるのではと思うほどの迫力でした。
・浅田真央は、早く生で観たいと思っていた「別れの曲(So Deep Is The Night)」を滑ってくれました。素晴らしいプログラムです。昨季までのExは、プログラムも衣装も試合と比べると物足りなさがありましたが、今季はExにも力を入れているようですね。後半珍しくスパイラルと3Loでミスしたのが残念でしたが。アンコールでは、昨日のSPのステップ以降を再現。別の角度から見るのもまたいいです。
・キャロライン・ジャンは、試合では見られないような多彩な技を見せてくれて、本当に見ていて飽きないですね。ただ、スピンは全部自分の席から遠いところだったので残念。
・ジョニー・ウィアーは、歓声とスタオベは大きかったですね。
・高橋大輔は、今季のSPを滑ってくれた。初めは、ちょっと変わったヒップホップ調の「白鳥の湖」かと思った程度でしたが、
中盤のステップからは、こんなフィギュアスケートもありなのか!?と思いながら引き込まれて見ていました。場内のあちこちで悲鳴のような歓声があがってました。これは本当に、試合で観るのが楽しみです。
・安藤美姫は、上半身の動きが本当に綺麗になりましたね。ただ、衣装も曲調も暗くて盛り上がりに欠ける感じなので、気分が沈んでしまいそうでした…。
・オープニングで平原綾香の生歌(TBSの中継のテーマソング「To Be Free」)があり、フィナーレでは、生歌にのって全員が滑りました。無難な演出で安心しました。座席が悪く、平原さんの姿があまり見えず。
■おまけ
・初日は、今までの試合の生観戦では一番リンクに近く良い席でした。テレビに自分の顔がはっきり映ってしまわないか心配でした。しかし、ジャッジ側は関係者席が多く空席も目立ったのが残念でした。
・初日の開会式では、日米の連盟会長の挨拶、日米国歌独唱などがありました。その割には試合の緊張感がない・・・。
・女子の演技の時間は、私の近くの席(記者用?の席の最前列)で平原綾香と(たぶん)米国国歌を歌った人が観戦されていた。気になってチラチラ見てしまいました。
・試合の日は、リンクに近い席なのに全然寒くなかった。薄手のシャツで平気でした。翌日のエキシビションは、同じ列の席でも寒かった。アリーナ席を設けたため温度を下げたのだろうか。
・パンフレットが無料配布でした。しかも2日とも同じもの。普段パンフレットは買わないのですが…。
パンフレットいらんから、入場料安くしてくれ。